ヒト タオルを愛してやまない、今治の作り手たちのお話。 BACK NUMBER
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#2 宮崎タオル
先代・宮崎弦さんが生み出した『コットンマフラー』

宮崎タオルの先代・宮崎弦さんが生み出した『コットンマフラー』は、同社のオリジナル商品として今も根強い人気を誇る。現在は、弦さんの夫人と息子さんが先代の意思を受け継ぎ、次の1歩を築こうとしている。
夫人は「引き算しか習っていないから…」と弦さんのことを、眼を細めて回想する。
その言葉の意味は、原価に利益を上乗せして販売するという商いを先代はしていなかったのだと理解するのに、そう時間はかからなかった。
「人さまに喜んでいただくのが、弦さんの生き方のようなものでした。ものづくりとしては成功かもしれませんが、商売としては…」と言葉を濁すが、そこには、品質に対する揺るぎない自信が感じられた。

  宮崎タオル「コットンマフラー」
『見せるタオル』『動くタオル』。それが、コットンマフラーの原点。

「もともとコットンマフラーは、当時の市長さんが、弦さんに『今治のお土産になるものを』と相談されたのがきっかけで誕生しました」。
当時から、どの家庭の押入れにもタオルはしまいこまれているものという背景がそこにはある。
「弦さんは、市長さんの依頼を受けて『見せるタオル』『動くタオル』ということを考えていました。それが、コットンマフラーの原点なんです」。とサラッと夫人は話すものの、商品化への道のりは、まさに弦さんのものづくり人生そのものである。
まず、首に巻くとなると、その重さは70g以下。これは、人が一日中、首に巻いても負担のかからない重さだそうだ。また、通気性と保温性を確保するために、織り方は二重織り(袋織)。
さらに、肌に触れるものであることから、天然素材のスーピマ種の無農薬コットンを使っている。精錬(洗い加工)は、オレンジオイル酵素を、染料は弱反応性染料を使い、皮膚への刺激が少ないように考慮されている。「ウールや毛のマフラーがチクチクするという方だけでなく、最近はアトピー性皮膚炎の方にも広く知られるようになりました。コストは二の次で、それでも天然繊維の無農薬コットンしか原料として使うべきではないという弦さんの強固な意志は、正しかったと思います」。そう言って、夫人はコットンマフラーに目を落とした。
弦さんのものづくり人生は、タオルを日用品からファッションへと押し上げた。そして、そこに掛けた情熱は、夫人の愛情に受け止められ、息子の代へと受け継がれようとしている。

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